暗号資産ノード：暗号資産ノードとは？仕組みは？

暗号資産ノード。それは、ブロックチェーンの縁の下の力持ちであり、暗号資産ノードこそが、分散型ネットワークを可能にしています。 暗号資産ノードの仕事は単純です。暗号資産ノードは、中央集中型の組織を使用せずにトランザクションを提案、承認、処理する方法を備えています。

ノードがなければ、DAO（分散型自律組織）や暗号資産のピアツーピア転送（サーバーを介さずに端末同士で直接データのやり取りを行う通信方式：P2P）など、あらゆる種類の分散型目的にブロックチェーンを使用することはできません。 基本的に、ノードは、トランザクションが常に正しく、効率的に処理されていることを確認します。 ブロックチェーンは不変であると言われており、少なくともブロックチェーントランザクションを変更または改ざんすることは非常に困難であるため、最初から正しく処理することが重要です。 実際、ネットワークのセキュリティはブロックチェーンにかかっています！

しかし、何千台ものコンピューターで、何かについて同意を得ることが簡単であるとは言い切れません。 すべてのトランザクションが正しいことを確認し、見知らぬ人たちからなるネットワークに依存することは困難な作業であり、その結果、各ブロックチェーンが暗号資産ノードにアプローチする方法は、若干異なる場合があるのです。 各ネットワークは、ネットワーク上でのノードのアクションに対して異なるインセンティブ（または、罰）を与えたり、トランザクションを承認する方法さえも提供します。 これらはすべて、ノードの仕組み、ネットワーク内に存在するノード数、さらには、存在するさまざまなノードのタイプに影響します。

そこでこの記事では、暗号資産ノードについて詳しくご説明し、暗号資産ノードの機能、さまざまなタイプ、マイナーとノードの違いについてご説明します。

ですがその前に、基本項目から始めましょう。 実際のところ、暗号資産ノードとは、正確には何でしょうか？

暗号資産ノードとは？

暗号資産ノードは、ブロックチェーンネットワークとやり取りでき、ブロックチェーンネットワークの一部である単一のコンピューターです。 ほとんどのブロックチェーンでは、各ノードは単一の個別のコンピューター（別名、分散型台帳）です。そこには、ブロックチェーン上のすべての情報が保管されます。 すべてのノードは同じ情報のコピーを持っているため、相互に認証できます。

それにより、ノードは中央組織（エンティティ）の助けを借りずに、新しいトランザクションを認証して記録し、ネットワークにブロードキャスト（データ送信）することが可能となります。

暗号資産ノード数が増えるほど、システム全体を騙すことが難しくなる仕組みです。 なぜなら、ブロックチェーンを改ざんするには、多くの場合、悪意のある者が、ノードの51%（半数以上）を制御する必要があるからです。 一般的なネットワークでは、制御しなければならないノード数が膨大になるため、これは事実上不可能になります。

暗号資産ノードは何のためにあるのか？

まず、暗号資産ノードはブロックチェーンの動作に必要なデータを保管します。 これには、分散型台帳全体とそのすべてのトランザクションが含まれる場合があります。 暗号資産ノードのもう1つの重要な役割は、相互に通信すること。 これは、ノードのコンセンサス（合意）を維持するのに不可欠です。つまり、すべてのノードが当該チェーンの同じコピーを持つようにします。 これは基本的に、ノードが同期するために使用する方法であり、ブロックチェーンが確実に、すべてのユーザーにとって同じであるようにします。

さらに、一部の暗号資産ノードには、ブロックチェーントランザクションを認証し、型に合わないトランザクションを拒否するなど、他の仕事もあります。 暗号資産ノードは、ネットワークへの参加を希望する新しいノードに、ブロックチェーンのコピーを提供することもできます。

基本的に、これらの機能は連携して、暗号資産ノードが中央組織なしで、トランザクションを認証および記録できるようにします。 パブリックブロックチェーンは、従来の金融のように機能するのではなく、ノードを運営する世界中の人々という、集合体の力に依存しています。

暗号資産ノード、マイナー、バリデーター。それらの違いは？

非常に多くの場合、「ノード」と「マイナー」という言葉は、暗号資産の分野では同じ意味で使用されますが、同じものではありません。 そこで、この混乱を招く点をここで明確にしましょう。

マイナーは、ブロックチェーンに新しいトランザクションブロックを追加できる、専用のコンピューターシステムです。 新しいコインをマイニングしたり、トランザクションを検証したりするには、このマイナーは、かなりの量のエネルギーを必要とする、複雑な数学的計算というパズルを解く必要があります。 この暗号資産マイニングの仕組みは、プルーフ・オブ・ワークのブロックチェーンを安全に保つものです。 単純に、ビットコインのマイニングはコストが高すぎるため、システムをごまかそうとは考えません。

ここで混乱する人もいるかもしれません。なぜなら、各マイナーはノードだからです。 ただし、すべてのノードがマイナーであるわけでもありません。 例えば、誰でも暗号資産ノードを実行して、コインを1つもマイニングすることなく、ビットコインのコンセンサス（合意）の形成を支援できます。 さらに、これらの区別を超えて、さまざまな種類のネットワーク間でも違いがあります。

例えば、プルーフ・オブ・ステークネットワークでは、ノードはマイナーではなく、バリデーターによって運用されます。 ただし、プルーフ・オブ・ステークネットワークでも、トランザクションを検証せずに、独自のノードをセットアップすることもできます。 したがって、ノードとバリデータも同義ではありません。

暗号資産ノードの種類

ノードには主に、フルノード（Full）とライトノード（Light）の2種類があります。 これらはそれぞれ別の理由で存在し、異なる機能を持っています。

フルノード

簡単に言うと、フルノードには、ネットワークのデジタル台帳の完全な（フル）コピーが保管されます。 これらのタイプの暗号資産ノードは、ほとんどのブロックチェーンの基盤を構築します。そして、チェーンの履歴を保管し、他のフルノードと通信します。 また、これらは、チェーンのコピーを新しいノードに提供する役割を担うノードでもあります。これらはまさに、ネットワークの支柱であり、そのため、ほとんどのブロックチェーンにはこれらのタイプのノードが含まれます。

マイナーノード

マイナーノードは、トランザクションを認証し、プルーフ・オブ・ワークブロックチェーン上のブロックチェーンにトランザクションを追加する責任を負う参加者です。 マイニングには、複雑なパズルを解くために多くの計算能力が必要です。 ただし、マイナーノードは、仕事の見返りとして暗号資産の報酬も受け取ります。

バリデーターノード

バリデーターノードはマイナーノードに似ていますが、代わりにプルーフ・オブ・ステークネットワーク上にあります。また、トランザクションを検証し、ブロックを作成します。 ただし、複雑な計算問題を解決する必要はなく、システムにロック（凍結）する資金量に応じて選択されます。 一方で、マイナーと同様に、ブロックを作成することで報酬を受け取ることが可能です。

ライトノード

ライトノードとも呼ばれるSPVクライアントは、少し異なります。 まず、これらのタイプのノードは、重量のあるノードとは異なり、ブロックチェーン全体を保管しません。 代わりに、「ブロックヘッダー」をダウンロードするだけです。 これは単に、それほど多くのストレージ容量を必要としないことを意味します。 ブロックチェーン全体を保管するということではなく、これらの暗号資産ノードの唯一の仕事は、簡易決済認証（Simplified Payment Verification：SPV）を使用してブロックチェーン内のトランザクションを認証することです。 すべてのブロックチェーンがこれらのタイプのノードを使用するわけではないことに注意することが重要です。 主にこれらは、ビットコインなど、ブロックごとのストレージ容量が限られているブロックチェーンで普及しています。

暗号資産ノードの仕組みは？

ブロックチェーンごとに暗号資産ノードは若干異なる場合がありますが、暗号資産ノードがどのように機能し、何を行うのかについての一般的な流れを見てみましょう。

暗号資産ノードは署名付きトランザクションを分散

トランザクションに署名すると、詳細が一連のノードに送信されます。 最初の一連のノードはそれを他のノードに渡し、他のノードはそれを次のレベルのノードに渡します。 これは、トランザクションがブロックに含まれるか破棄されるまで行われます。

ノードは次にメモリプール内のトランザクションを認証

トランザクションが分散されると、トランザクションは各ノードのメモリプールに入ります。 最初は、キュー（待機）に入れられた状態です。 ただしそこから、ノードはトランザクションを検証する必要があります。 大部分のノードがトランザクションが有効であることを検証すると、トランザクションは保留ステータスに移行します。 これは、トランザクションが、チェーンに追加される準備ができていることを意味します。 逆に、大多数のノードが、トランザクションは無効であると判断した場合、そのトランザクションは破棄されます。

ノードはトランザクションをブロックに追加し、ネットワークにブロードキャスト

トランザクションが保留ステータスに移行すると、マイナーノードまたはバリデータノードはブロックをネットワークに追加できるようになります。 マイナーまたはバリデーターがブロックを獲得し、それをチェーンに追加した時点で、そのトランザクションは不変になります。 ご説明すると、トランザクションに変更を加えるには大多数のノードの承認が必要です。これは、より一般的なブロックチェーンでは数千個のノードになる可能性があります。 このシンプルな機構により、チェーンが安全に保たれます。

ノードには正しい動作を保証するためのインセンティブ（および抑止力）がある

この時点で、一部のノードは、ネットワークにブロックを追加する責任を負います。それにより、通常は、暗号資産の報酬を獲得することに注意することが重要です。

ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワークブロックチェーンでは、複雑な暗号パズルを解くために大量の計算能力が必要になります。 これは、マイナーには有効なブロックをチェーンに追加するインセンティブがある一方で、不名誉な行為に対する抑止力もあるということを意味します。単純に、マイニングのエネルギーコストは、ブロック報酬がなければ採算が合わないということです。

プルーフ・オブ・ステークのブロックチェーンでは、参加ノードもブロック報酬を受け取りますが、不正行為の抑止として、これらのチェーンには別の方法があります。 ご説明すると、バリデーターは、多額の資金を担保としてロック（凍結）する必要があります。 そして、敬意を持って行動すると、より多くの報酬を受け取ることが可能です。 逆に、悪意を持って行動した場合、その担保（別名ステーキング）はスラッシュ（削減）されます。 このメカニズムにより、継続的なエネルギーコストや高価な機器がなくても、ノードが適切に動作することが保証されます。

暗号資産ノード：なぜ重要なのか？

暗号資産ノードは、ブロックチェーンシステムのセキュリティに不可欠です。 分散型でタスクを実行しようとする場合、唯一の選択肢はピアツーピア（P2P）システムであり、ピアツーピアシステムを効果的に管理する唯一の方法が、ブロックチェーンネットワークを介することです。 ノードを使用すると、ブロックチェーンは、中央集中型組織（エンティティ）が介入することなく、公正な方法でトランザクションを検証できます。

さらに、ノードを運用する参加者が多いほど、悪意のある者が共謀したり、ネットワークを制御したりするのが難しくなります。 これらは、ユーザーとマイナーがルールに従って行動することを保証し、両方の機能により、ネットワークがより分散化され安全になります。

つまり、ネットワーク上で何をしていても、ノードに遭遇することになります。 実際にあなたも、ご自分で暗号資産ノードの運用を始めたいと思うかもしれません！ フルノードを実行したい場合でも、マイナーノードやバリデータノードになりたい場合でも、選択肢はあります。 Ledger Liveでバリデーターノードに直接資金を提供することもできます。

ノードはブロックチェーンシステムの基礎です。それらがなければ、そもそもブロックチェーンストレージは存在しないでしょう。 ノードが連携して、ブロックチェーンネットワークのインフラストラクチャ全体を支えています。だからこそ、ノードを理解することが非常に重要です。

知識は力なり

自分を信じて学び続けましょう。 役に立つ情報が満載のSchool of Blockエピソードもご覧ください。