LedgerウォレットでPhantomを使用する方法
重要なポイント: |
— Phantomは、ソラナ(Solana)ベースのdApp上でシームレスなトランザクションを可能にするように設計されたソフトウェアウォレットです。 —Phantomはノンカストディアル(自己保管型)ウォレットです。自分自身で秘密鍵を所有し、お持ちの暗号資産を完全に管理できます。 — ホットウォレットであるPhantomは、常にインターネットに接続されているため、マルウェアを使ったハッキングには弱いです。 —この記事では、LedgerハードウェアデバイスとPhantomウォレットを活用して、秘密鍵の絶対的なセキュリティを確保しながら、シームレスにdAppトランザクションをお楽しみいただく方法をご説明します。 |
ソラナは、高速かつ効率的なトランザクションを特徴とするブロックチェーンです。 このチェーンでは、数え切れないほどのアプリ、ゲーム、NFTなどに、完璧な環境を提供してきました。 しかし、使いこなすためには、適切なツールが必要です。 ネットワークに関する詳細は、「Solanaとは?」の記事をお読みください。
すでにソラナウォレットにSOLを所有している場合は、Phantomについて聞いたことがあると思います。 これは、ソラナ対応の暗号資産ウォレットで dAppとDeFiトランザクションをシームレスに処理する用に設計されています。
ここでは、Phantomについての詳細とLedgerハードウェアウォレットでPhantomを使用する最も安全な方法についてご説明します。
Phantomウォレットとは?使用する理由とは?
Phantomは、当初ソラナネットワーク用に設計されたホットウォレットで、ChromeとBraveブラウザの拡張機能として、Ledgerで利用できます。 また、イーサリアム、Polygon、ビットコインにも対応するようになりました。 さらに、このウォレットは、本稿執筆時点で700万人以上のアクティブユーザーを誇り、おそらく最も人気のあるソラナホットウォレットです。 では、なぜこのソラナソフトウェアウォレットは、それほど人気があるのでしょうか?
利便性
Phantomは、Solanaブロックチェーン上のdAppとシームレスに相互作用するように設計されたホットウォレット(ブラウザ拡張機能として利用可能)です。 これにより、ソラナブロックチェーン上のdApp、DeFi、NFTなど、広大なソラナの世界へアクセスすることができます。 現在では、Bitcoin OrdinalsとBRC-20規格のサポートを含め、ソラナ、イーサリアム、Polygon、ビットコインブロックチェーン間のdAppとシームレスにやり取りする、マルチチェーンウォレットとなっています。
使いやすさ
Phantomのインターフェースは洗練されており、直感的です。そのため、すぐに使用でき、dAppエコシステムを理解するのに時間を使えます。 このウォレットは、暗号資産の送付や受け取り、SOLステーキング、暗号資産のスワップ(スワップの一部はウォレット自体で行うことも可能)用のシンプルなフォーマットを提供しており、ソラナdApp内で簡単に接続できるため、トランザクションをスムーズに行えます。
秘密鍵の所有
暗号資産は、完全な自由を手に入れるためのものです。 つまり、自分の資産を常にコントロール可能であることを意味します。 Phantomウォレットの大きなメリットは、非カストディアルであることです。 一体どういう意味なのでしょうか?
多くのウォレットプロバイダーは、ウォレットの秘密鍵を管理しています。 この場合、ウォレット利用者は暗号資産に対する所有権の一部を放棄し、プラットフォームのセキュリティを信頼することを意味します。 これでは、暗号資産の本来の目的を見失っています。
Phantomでは、自分の秘密鍵を使ってインターフェイスを使うことができます。 ノンカストディアル(自己保管・自己管理型)ウォレットとして、Phantomはお客様のデータや資金にアクセスすることはありません。つまり、お客様がご自分の資産を管理し続けます。 しかし、鍵の管理は自分で行うことになるため、リスクも伴います。
ホットウォレットが完全に安全でない理由
定義上、ホットウォレット(ソフトウェアウォレット)は、常にインターネットに接続された状態となります。そのため、便利に使用することが可能です。 しかし、ご存知のように、インターネットに接続されているものは完全に安全とは言えないという欠点があります。
考えてみてください。この1週間で何回リンクをクリックしましたか? 昨日だけでも、何回クリックしたでしょうか? 暗号資産ハッカーが最もよく使う手段の一つが、悪意のあるリンクを経由してコンピューターにマルウェアを送るというものです。
一旦クリックすると、マルウェアはあなたのブラウザをスパイして、お持ちの秘密鍵にアクセスし、気付かないうちに、ウォレットとトランザクションを制御できるようになります。 要するに、鍵がインターネットに接続されたデバイスに保存されている限り脆弱性は存在し続けます。
Phantomウォレットのセキュリティ機能
Phantomは、2024年に「埋め込みウォレット」オプションを含む、複数のセキュリティ機能を導入しました。それにより、従来のブラウザ拡張機能やモバイルアプリなしで、安全なdAppのやり取りを可能にしました。 埋め込み型ウォレットは、アプリに直接統合することで暗号資産の鍵をより安全に保ち、ハッキングのリスクを減らすと同時に、トランザクションを簡素化します。
Phantomのソフトウェア開発キット(SDK)を利用したこの機能は、機密性の高い操作をメインデバイスから切り離すことで、ユーザーのセキュリティを強化します。 しかし、結局のところ、ホットウォレットは、コールドウォレットと同レベルのセキュリティを提供しません。ここで、Ledgerデバイスの出番です。
LedgerウォレットをPhantomに接続する必要がある理由とは?
Phantomウォレットの利点を、秘密鍵を危険に晒すことなく享受するにはどうすればいいのでしょうか。 Ledgerデバイスでは、とても簡単にできます。 では、この仕組みを理解しましょう。
Ledgerがご提供する各デバイスのようなハードウェアウォレットを追加することで、秘密鍵をオンラインで公開することなく、Phantomでのシームレスなトランザクションが可能になります。
さらに、Ledgerのセキュアタッチスクリーンデバイスの最新シリーズである、Ledger StaxとLedger Flexが加わったことで、ユーザーはLedgerのセキュリティ機能とともに、web3エコシステムとやり取りする際に、使いやすさと利便性をもたらす強力なUIを使うことができるようになりました。 LedgerをPhantomに接続することで、より優れたユーザーナビゲーションと、オフラインの鍵保管による最高レベルのセキュリティが実現します。それにより、トランザクションの利便性とオンラインの各種脅威からの保護が保証されます。
では、その仕組みは一体どうなっているのでしょうか?
鍵をオフラインで保管する
Ledgerハードウェアウォレットは、秘密鍵を物理的に保管し、トランザクションをオフラインで安全に署名する場を提供します。 また、最も信頼性が高く安全なチップとして知られるセキュアエレメントチップにより保護されています。
秘密鍵はインターネットに接続された端末から切り離されているため、ハッカーがどんな種類のマルウェアを使ったとしても、秘密鍵を見ることはできません。それは、トランザクションに署名する際も同様です。
セキュアスクリーン
さらに、Ledgerのハードウェアウォレット内に鍵を保管することで、今後すべてのトランザクションにデバイスから署名する必要が発生します。 Ledgerデバイスはすべてセキュアスクリーンを採用しており、マルウェアによってトランザクションの詳細が改ざんされることのない画面となっています。 すべての取引において最大限の透明性を確保し、2段階認証によりセキュリティも強化されます。
このセキュリティは、最新のLedger FlexおよびLedger Staxデバイスに搭載された、LedgerのセキュアE-inkタッチスクリーンと組み合わせることで、一段と強化されます。 以前、暗号資産ウォレットについて深く掘り下げた当社の記事でご説明したように、トランザクションに署名する際の情報の信頼性という点では、皆さんが普段使っているスクリーンは、それほど安全ではありません。 さらに、すべてのハードウェアウォレットが、セキュアエレメントチップでセキュアスクリーンを駆動しているわけではありませんが、Ledgerデバイスではそうなっています。
つまり、Ledger FlexやLedger Staxを手にしているときは、安全な画面に表示されているものが、署名しようとしているものであるという、安心感が得られます。
ただし、PhantomなどのソラナdAppのトランザクションをLedgerデバイスで操作するには、「ブラインド署名」を有効にする必要があります。 つまり、複雑であったりサイズが大きかったりするために、Ledgerのセキュアスクリーン上では詳細が表示されなかったり、確認できなかったりするトランザクションに署名することになります。 基本的に、あなたはお持ちのデバイス上で、直接すべての詳細を読むことができなくても、dAppやスマートコントラクトが正当なトランザクションを送ってくれると信頼しています。 これにより、セキュアスクリーンのセキュリティ上の利点の一部が活かされませんが、Solanaネットワーク上の高度なdAppやスマートコントラクトとやり取りする場合に、よく必要になります。
しかし、ブラインド署名では、トランザクションの詳細がすべて表示されるわけではないというリスクがあります。一方で、Ledger FlexやLedger Staxのセキュアタッチスクリーンは、特定のトランザクションについて見て確認できるものを認証することができ、安全な環境を提供することで、重要な役割を果たしています。 重要なのは、この機能を賢く使いこなし、やり取りする可能性のあるコントラクトについて十分に調査し、それに伴うリスクを十分に認識することです。
より優れたUX
Phantomウォレットはクロスチェーンスワップ機能でユーザー体験を強化し続け、ウォレット内で直接、ブロックチェーン間のシームレスな資産移動を可能にしています。 iOSとAndroid用の直感的なモバイルアプリは広く人気を博しており、外出先でも便利に暗号資産を管理でき、その魅力はさらに広がっています。
アップデートのスピードがミームコイン(ネットで拡散されて話題となったもののパロディー的な暗号資産)よりも速いエコシステムであるソラナ(Solana)を使いこなすには、常に時代の先端を行く必要があります。
最も安全な方法は、PhantomとLedgerデバイスを組み合わせることです。 Ledger Staxは最長数週間、Ledger Flexは最長10時間(または150トランザクション)のバッテリー寿命で、Ledgerはどこに行っても安全で手間のかからない暗号資産管理を保証し、比類のない利便性と最先端のセキュリティを兼ね備えています。
簡単に言うと、Phantomウォレットの利便性とLedgerデバイスの強固なセキュリティを組み合わせると、他にはないWeb3体験が得られます!
LedgerウォレットをPhantomに接続する方法は、以下の手順をご覧ください。
PhantomウォレットをLedgerに接続する方法
Ledgerを初めてご利用になる方のために、まずは新しいデバイスのセットアップ方法から確認しましょう。 Ledgerの設定方法は、当社のサポートページでわかりやすくご説明しています。 それが完了したら、さっそく始めましょう。
ステップ 1: LedgerデバイスにSOLアプリがインストールされていることを確認してください。 そうでない場合は、Ledger Liveの管理セクションから行うことができます。 SOLのアプリケーションを検索し、画面の指示に従ってインストールするだけです。 アプリケーションがインストールされたら、Phantomと競合する可能性があるため、Ledger Liveインターフェースを閉じます。
最初に、Phantomウォレットをブラウザで開く。
ステップ 2: Phantomウォレットの左上のメニューをクリックし、表示されたドロップダウンメニューから「Connect Hardware Wallet」を見つけてクリックする。
ステップ 3: Phantomが接続されているLedgerデバイスを検索できるよう「Continue」をクリックする。 Phantomが接続できるように、LedgerデバイスでSOLアプリが開いていることを確認してください。
ステップ 4:完了すると、Phantomから接続するLedgerのアカウントを選択するよう促されます。 というのも、Ledgerウォレットをセットアップすると、自動的にアカウントの「ツリー」が作成されるからです。 あとは、普段お使いのものを選ぶだけです。
これで、Ledgerハードウェアウォレットが保有するSolana残高を、Phantom内で確認できるようになりました。 これにより、ソラナベースのdAppやDeFiサービスとシームレスに連携しながら、秘密鍵を、お持ちのハードウェアデバイス内に、完全に保護された状態で保持することができます。
不明な点やお困りのことがある場合は、サポートページをご確認ください。
完全なセキュリティでSolanaを管理
dAppの黄金時代では、暗号資産を使用するための選択肢がこれまで以上に増えています。 しかし、新しい選択肢には、リスクも伴います。 時間をかけてセルフカストディを正しく理解することで、急成長するソラナベースのエコシステムを、自由に楽しむことができるようになります。 これらの簡単な手順は、セキュリティを最大限に高め、秘密鍵を効果的に保護するのに役立ちます。
PhantomウォレットがLedgerデバイスに接続されました。準備完了です!
dAppを利用する場合にブラインド署名は重要な概念となるため、よく理解しておく必要があります。 School of Blockのエピソードで最適な管理方法について説明しています。