暗号資産のレンディングとは?
重要なポイント: |
— 暗号資産のレンディングとは、代替の投資形態である。 — 投資家は、利息の支払いと引き換えに他の借り手にフィアット通貨や暗号資産を貸し出す。 — 暗号資産のレンディングを開始する前に、自身で調査を行う必要がある。 — 暗号資産のレンディングには、複数の方法がある。 |
DeFi(分散型金融) は、2019年から2020年にかけて爆発的に普及し、今やブロックチェーン技術の主要な用途となっています。 このようなDeFiの新しい流れの中で、新しい 暗号資産の運用方法が 生まれています。 今回は、DeFiの例として非常に人気があり、ここ数か月でさらなる人気を博している暗号資産暗号資産のレンディングを、深く掘り下げてみましょう。
レンディングについて
手持ちの現金がない場合に、ローンを組むという話は聞いたことがあるのではないでしょうか? その場合、お金を貸し付けるのは銀行や企業で、借り手はそれに利子をつけて返済します。 その利息で、銀行や企業は利益を上げます。
もし、利子を受け取る側になれるとしたら?
嬉しいことに、暗号資産にはローンを提供できるソリューションがあります。 企業と同じように、あなたも利子を受け取ることができるのです。 ただし、その仕組みは通常のローンとは少し異なります。 このソリューションは、暗号資産のレンディングと呼ばれています。
暗号資産のレンディングの仕組みとは?
簡単にまとめると、暗号資産のレンディングは代替の投資形態であり、投資家は利息の支払いと引き換えに、他の借り手にフィアット通貨や暗号資産を貸し出します。 つまり、このローンには大きく分けて2つの当事者が存在します。
貸し手は、ローンの対価として借り手から利子を受け取ります。 借り手は、投資家の投資に対し暗号資産を担保として預けます。 そうすることで、万が一の事態でも貸し手には担保による補償があるのです。
手順ガイド
レンディングのプロセスは利用するプラットフォームによって若干異なる場合がありますが、暗号資産のローンを受けるには一般的に次の手順を行います。
自分の暗号資産を貸し出すメリットとは?
魅力的な金利
貸し手にとっての最大のメリットはご想像のとおり、 利子の受け取りです。 貸し出した金額よりも多くの暗号資産が返済されるため、何もしなくても利益が得られることになります。 不労所得を受け取れることは、非常に魅力的です。 その上、金利は普通預金よりもずっと高く設定されています。
暗号資産の価格変動を避ける
理論的には好きな暗号資産を貸し出すことができますが、 暗号資産保有者にとっては、ステーブルコインのレンディングが新たなソリューションとなるかもしれません。 ステーブルコインをご存知でない方のために説明すると、ステーブルコインとは、特定の現実世界の資産と同じ価値を保つよう設計(ほとんどのステーブルコインは米ドルの価格と連動)された暗号資産を指します。
ステーブルコインを貸し出すことで、通常の暗号資産のような変動リスクなしに資産を増やすことができるのです。 つまり、暗号資産をレンディングして、いくら返ってくるかを前もって知ることができる可能性が高くなります。 一方、大前提として暗号資産の世界では、ゼロリスクというものは存在しないことを念頭に置いておく必要があります。
暗号資産のレンディングで行うべきこと
自分で調査する
繰り返しになりますが、暗号資産の様々な分野では自分で調査を行うことが非常に重要となります。 レンディングの場合もそれは同じです。 誤って安全性の低いプラットフォームを使用したり、詐欺に遭うことは避けたいものです。 レンディングプラットフォームやスマートコントラクトでは、そのセキュリティがしっかりと監査されており、実績のあるものを利用するのがベストです。
焦らない
すぐに現金化したい暗号資産は、貸し出してはいけません。 当たり前のことですが、貸し出したものを売ることはできません。 さらに、最高のセキュリティ監査を行っていたとしても、暗号資産の世界ではハッキングが起こる可能性があることも忘れてはいけません。 使用しているプラットフォームに最悪の事態が発生した場合に、暗号資産が失われる可能性も念頭に置いておきましょう。
パラメーターについて
ローンの条件は正しく理解しておくことが大切です。 いつ自分の暗号資産が返済され、どれ程度の利子がつくのかを事前に確認しておきましょう。 最も重要なことは、借り手が返済できない場合に備えた適切なバックアッププランを用意しておくことです。 保険や借り手が事前に設定していた担保によって、使用しているプラットフォームやスマートコントラクトが暗号資産を返済してくれるかどうかを、事前に確認しましょう。
暗号資産レンディングの始め方とは?
さまざまな選択肢があります。 さっそく見て行きましょう。
取引所とプラットフォーム
暗号資産取引所やその他のプラットフォーム(Binance・Coinbase・Nexoなど)は、レンディングサービスを提供しています。 これらのサービスは中央集中型で、貸し手と借り手の契約における仲介者としての役割を果たします。 暗号資産を貸し出すには、暗号資産をそうしたプラットフォームに送信する必要があります。 同様に、返済金はプラットフォームのアドレスに入金されます。つまり、手動で暗号資産を引き出すまでプラットフォームの管理下に置かれることを意味するのです。
こうしたサービスは通常使いやすく、貸し出す暗号資産の選択肢も広い一方、その他のレンディングのオプションよりも要件が多くなる傾向があります。 例えば、最初にアカウントを作らなくてはなりません。ほとんどの場合、本人確認手続き(KYC)のプロセスで個人情報を提出する必要があります。
分散型金融
最近、急速に人気を伸ばしている分散型金融 (DeFi)プロトコルでは、仲介者を必要とせずに暗号資産を貸し出すことが可能です。 この場合、スマートコントラクトを使ってローンが正しく処理されます。 スマートコントラクトは、あらかじめ設定された一定の条件を満たすと、自動でトランザクションを行います。
暗号資産を貸し出す場合、資産はあなたの手を離れ、スマートコントラクトに送られます。 その際、貸し出された資産の所有者であることを証明する債券が発行されます。
ここで気になるのが、セキュリティの問題です。 最もよく知られているDeFiレンディングプロトコルの場合、スマートコントラクトは厳重に監査かつ公開されているため、誰でも手動で検証することができます。 潜在的な脆弱性を排除することはできませんが、一定の安心感を得ることができるでしょう。
残念なことに、DeFiでのスマートコントラクトの運用は単一のブロックチェーンに限定されています。 そのため、どの暗号資産を貸すことができるかという選択肢は、通常は限定されています。 ほとんどの場合、ERC20 トークン(Ethereumブロックチェーン使用)のみとなります。
Ledgerで暗号資産のレンディングを行う方法
暗号資産のレンディングに関心があるなら、Ledgerハードウェアウォレットを出発点に選ぶのもおすすめです。 ハードウェアウォレットを直接、コンパウンドプロトコルに接続しましょう。
簡単にその仕組みをご説明します。コンパウンドは、暗号資産のレンディングを可能にする分散型プロトコルです。
トークンをレンディングする際には、コンパウンドのスマートコントラクトにトークンを預けます。 その際、貸し手には貸し出された資産や利子に対する請求権を表すcTokenが発行されます。
セキュリティと管理
cTokenは、貸し出した資産とその利子が貸し手のものであることを証明するものです。 Ledgerハードウェアウォレットを使って、暗号資産をレンディングすることで、cTokenはデバイス内に安全に保管されます。つまり、貸し出す際に資産の権利を主張できるのは、貸し手のみとなります。
資産や利子を受け取りたい場合には、cTokenをスマートコントラクトに送り返すだけで、貸し手の資産や発生した利子が戻ってきます。
DeFiの新しいサービスには驚くほどの種類がありますが、Ledgerの使命は、それぞれのサービスに可能な限り高い水準のセキュリティを提供することにあります。 Ledgerの場合は、購入やスワップ、ステーキング、レンディングにおいて、秘密鍵を安全に保護し、すべてのトランザクションを検証していただきます。 まとめると、Ledgerなら主導権と高いセキュリティを維持しながら、DeFiが提供する様々な可能性を自由に活用することが可能となります。
注意事項:取引、レンディング、その他暗号資産のトランザクションはサードパーティパートナーによって提供されています。 Ledgerは、これらサードパーティサービスの利用に関する助言や推薦を行うことはありません。
知識は力となります。今後も学び続けましょう。 暗号資産やブロックチェーンの理解を深めるために、School of Blockの動画をご覧ください。 暗号資産で一攫千金